『ワンちゃん散歩(1時間1500円)』『ヤギさんお散歩体験(1周500円)』
こういう体験系が好きで、昔よくやっていた。
ペットは飼えないけど、旅行ついでにペットを飼った気分を味わえるやつ。
子供が生まれる前は、ヨチヨチ歩きのかわいい赤ちゃん連れで公園で遊ぶ親子を見て、「赤ちゃんの1日レンタルとかいいなあ」なんて思ったこともある。
天気の良い休日に、公園に来たついでに、ちょっとだけ赤ちゃんと遊んでみたい。きっとかわいい。きっと楽しい。
だから、「時々、自分の都合のいいときに、無償の愛を注いでくれる動物や幼い子供と遊んで癒やされたい」という、レンタルする側の気持ちも、わりとわかる。
でも、今はレンタルされる側の身として、面会のたびに複雑な思いを葛藤している。
面会時に監護親が毎回思うこと「いいとこ取りしてズルい」
「父親からの愛情を注がれるのは子供の健全な発育には欠かせません」
という類の心理学的なことは、いろんな本にも書いてあるし、実際に子どもたちを見ていても大切なことなのだと感じる。
でも、面会のたびに思うのは、「いいとこ取りしてズルい」だ。
以前、シングルファザーで子供を育てた方と話す機会があって、そのときにしみじみ心に響いたのが、
「そりゃ、母ちゃんが連れてくゆめタウンにはかなわんよ。俺は毎日仕事やし、そんな金もないし。いいとこ取りよ」
という言葉だった。
ちなみに、そのお母さんはいつしか面会に男性を連れてくるようになり、最終的には会いに来ることがなくなったそう・・・。
そのお父さんも、その子も、かなりキツかっただろうなあと、胸が締め付けられた。
でもそうやって、悔しい思いをしながら必死で育てたその子はもう高校を卒業していて、私も会ったことがあるけど、お父さん思いの、普通の少年よりもずいぶん大人びた気遣いができる心のまっすぐな青年だ。
高校生という親に反抗してもおかしくない年頃なのに、父親の仕事場についてきて、何かと手伝ったり、ただおしゃべりして帰っていったり。
彼のそこここから「お父さん大好き」がにじみ出ていた。
その親子を見て、なんだかとてもホッとした。
いいとこ取りされても、いいとこ取りされた悔しさを抱えていても、育てている親と子の間の絆が深ければ、こんなに良い親子になれるんだなあと。
ゆめタウンじゃなく、仕事場に連れて行くことしかできなくても。
まっすぐに、子供に愛情を注いでいたら、子供が成長あとも、ときどき会いに帰りたいと思ってもらえる親になれるんだなあと。
レンタル家族にはなれない、と思った
私は、離婚後に2回、宿泊付きの面会旅行に同行したことがある。(ついに書いてしまった・・・)
費用は全額相手持ち。
どうして同行したのか?
低レベルすぎて書くのも恥ずかしいけど、「おいしいご飯が食べたかったから」「子どもたちと一緒にタダ旅行に行きたかったから」という理由だ(爆)
もちろん、最初から「レンタル家族」的な、いいとこ取りの家族ごっこに参加するのは、ものすごく違和感があった。
でも当時、まだまだ貯金もできておらず、収入も生活を回すのがギリギリの状況だったので、「子どもたちとタダで旅行に行けるなら行きたい」と思った。
プライドもへったくれもない。食欲と、旅行欲に完敗しちゃうという、情けなさ全開・・・(;´Д`)
というかそもそも、財産分与はマトモにされていないし、離婚時の条件が世間一般からするとだいぶ偏ったものになっているのが、お金がない大きな原因でもあった。
相手は一生かけても使い切れないほどのお金を持っている人だったし、当時から、別の女性との間に子供を作ることも宣言していた。(←これが原因で私は別居を決めた)
それなのに、財産分与をしようとしない。
当時提案されたのが、「財産分与はしないけど、養育費にプラスして私分の生活費を年金受給時まで支払う」というやつだった。
・・・弁護士さんも「初めて見ました」という謎すぎるこの条件。
2つの家庭を行ったり来たりして、どっちの責任もとる、みたいな言い方をされていらっしゃったけど。。。
前の記事に書いたように、私の結婚観・家族観とはあまりにかけ離れていて、それを受け入れることなど到底できなかった。
だいぶ時間が経ったいまだから、「支配欲が強すぎて、ここまでくると逆にウケるわ」というノリで思えるようになってきたけど、当時は怒りに燃えたなあ・・・(遠い目)
あまりにもマトモな条件ではなかったので、裁判まで行けば、ある程度の財産分与ができることは予想されていた。
だけど、当時、私は約2年にわたる兵糧攻めにも疲れ果てていたので、早く離婚して児童扶養手当をもらって、養育費と自分の稼ぎを合わせて、お金は自分でなんとかする方を選んだ。
相手からお金をもらうためにメンタルを削りながら数年かけて裁判するよりも、自分のサバイバル能力を信じて自分で稼ぐ方法を作る方に時間をかけたほうが、ずっと健全だと思ったからだった。
いやしかし。
かっこよく、不利な条件を全部飲みこんで一人で子どもたちを立派に育ててみせる、なんて粋がっていたけども。
結局お金がなくて、「タダ旅行行きたいから面会に同行しよう」という考えになって、甘んじてレンタル家族の一員になり、家族旅行風味のことをしてしまった。
相手の思う壺になりすぎてて、もう、自分でもコントかと思うくらい、恥ずかしすぎるのだけど、私はこのときお金に完全に負けていた。
特に辛かったのが、旅行中に、同じ宿に泊まっていた子供同士の年齢が同じくらいの別の家族と仲良くなったとき。
私たちも本気で家族のフリをしないといけなくなった。
その家族は、私たちが離婚家庭だとは夢にも思っていないだろうから、こちらも普通の家族のフリをするのは仕方がないとは頭では10も100も承知だったけど。
「うちの妻、呼んできますね」と言われたその夜は、宿で吐きそうになってしまって、半日横になっていた。
ぜんぶ自分が選んで、自分が決めたことではあったけど、結局、旅行の最中も、帰ってからも感じたのは情けなさと情けなさと情けなさだった。
旅行中、私は自分の財布を一切出さなかった。
宿代、レジャー代、ご飯代、自販機などで相手がお金を払う姿を見るたびに、目に見えないものをチャリンチャリンと失って、自分の心に少しずつ引っかき傷をつけているような気がした。
美味しいご飯、素敵な宿、子どもたちの笑顔。
物理的には、とても得しているはずなのに、子どもたちも幸せそうなのに。
苦しくて、苦しくて、胸が痛くてたまらなかった。
そしてさらに良くなかったのが、私が面会に同行したことで、子どもたちが「また元の生活に戻れるんじゃないか?」という期待を抱くようになってしまったことだった。
子どもたちには私が家を出た理由や、相手の状況について、今も話していないので、家族っぽいことをしてしまったら、子供たちが期待しちゃうのは本当に当然といえば当然のことで、これは本当に、間違ったことをしてしまったと悔いに悔いた。
(子どもたちにいまだに理由を話せていないことについては、かなりの葛藤があって、何が正解なのか、まだ、自分なりの答えが見えていないところなので、また改めてこの葛藤も書いてみたいと思ってます)
この経験を通してわかったのが、「私はレンタル家族の一員にはなりたくない」。
ということだった。
それ以降、私は面会に同行することをやめている。
私自身の幸せと子供の幸せとの間で
私はもともと旅行がとても好きで、子どもたちを連れて、いろんなところに行くのが夢だった。
広い芝生でバトミントンしたり、ワンちゃんのお散歩体験してみたり、川遊びしたり、海に行ったり。
父親がいて、母親がいて、子どもたちが笑っている。
そんな、普通の家庭のままで、子育てできたらよかったのに、何が、どこから間違ったのか。
目が覚めて、今までのこと、ぜんぶ夢だったらよかったのにと心から思う。
でも残念ながら、ぜんぶ現実で、いまは、月に2回ほど子供をレンタルされる側にいる。
養育費と引き換えに、私は子供たちを笑顔で送り出す。
子供たちは父親と会うのをいつも心待ちにしていて、面会後も、「楽しかったー!」と言って帰ってくる。
帰宅後のお風呂の中でも「山登りして、遊ぶところも行って、ゲームもしてきたんよ・・・」とたくさん話しをしてくれる。
私は「よかったねえ、それでそれで?」と聞き返す。
「今度はママもいっしょにいこうよ~」と誘ってくれる。
「そうだねえ~それはちょっと、難しいねえ」とはぐらかす。
面会のたびに、胸が苦しくなる。
「いいとこ取りは、ズルい」
「ほんとうは、私も一緒にいきたい、でも、レンタル家族には、なりたくない」
と。
自分の幸せと子供の幸せを天秤にかけ、どっちをどれだけ優先すべきか?
逃げた時は、私の幸せを優先し、
逃げた後は、子供の幸せを優先してきた。すべてが苦渋の決断だったけど、でもやっぱり思うのは、私が笑えてないと、あの子たちも笑えない。
私が笑えるギリギリのラインを、今も探っている。
— ミーナ@ペイ活シングルマザー (@sinmama_mina) June 24, 2020
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