「もう夫は私たちの味方じゃない。この家族は壊れてしまったんだ」
そう思い、別居することを心に決めました。
別居先は私の実家。当時専業主婦だった私には、それしか選択肢はありませんでした。
夫はたとえ離婚しても、私と子供たちが実家に帰ることを許さないと主張していたので、夫が家に居ない間に置手紙をして家を出るしかないと思い、私が別居しようとしていることがばれないように、注意深く計画を立てていきました。
別居を決心してから実行するまでの約3週間、弁護士さんに相談しに行ったり、市役所に手続きに行ったり、探偵さんと連絡を取り合ったり、証拠をまとめたり、子供たちの園手続きをしたり・・・夫に気付かれないようにこれだけの行動をするのは、本当に大変でした。
でも、勢いで家を出ず、計画を立てて、同居しているときにできることは全部やってから家を出たことは、自分で自分をほめてあげたいくらいのファインプレーだったと今でも思います。
けっこう内容盛りだくさんになりますが、別居するまでに準備したことをまとめます。
目次
離婚届不受理申出書とは?
離婚届不受理申出書とは、相手が勝手に離婚届を出しても、受理されないようにあらかじめ申し出ておくための書類のことです。
役所の戸籍課で提出します。
離婚届は、その場で筆跡鑑定するわけでもなく、夫婦2人でそろって提出に行かないといけないわけでもなく、本人確認証の提出が必要なわけでもない。
そこが怖いところなんです。夫のあの当時の勢いなら、勝手に離婚届を出しかねないなと思いました。
もちろん、書類を偽造して離婚届を勝手に出されてしまった場合、あとで取消しの手続きはできるようでしたが、とても大変そうだったので、とりあえず安心のために離婚届不受理申出書を提出しました。
やり方はとっても簡単。
役所に行って、戸籍課で「離婚届不受理申出書を出したいのですが・・・」と聞けば用紙を渡してくれます。
そこに必要事項を記入して捺印するだけです。
- 自分の印鑑
- 自分の免許証や保険証などの本人確認書類
- 自分と相手の本籍地(覚えている人は特に気にせずOK。私は本籍地の住所を覚えてなかったので事前に調べておきました)
お金もかかりません。
この離婚届不受理申出書を出しておけば、届を出した本人が役所に行って不受理届を取り下げてからでないと、離婚届が受理されないのです。
私が手続きしたときは、すぐ隣の席にも別の戸籍の手続きをしている人の横で、市役所の人からわりと大き目の声で離婚届不受理申出書のことを説明されたので、ちょっと恥ずかしい思いもしたのですが、でも、これを出してとりあえず安心できたので、手続きしてよかったと思いました。
私が離婚届不受理申出書を出したことは、最後まで相手にはバレなかった
離婚届不受理申出書を出したからといって、なにか通知が相手に送られるわけでもないので、相手が戸籍課に行って離婚届を出そうとしない限りは、バレないようです。
私の場合、最終的に離婚届を出したのは私自身だったので、結局、元夫は私が離婚届不受理申出書を出していたことを知らないままでした。
離婚届不受理申出書を取り下げてから、離婚届を出す流れ【手続きは同時にできた】
離婚届不受理申出書を提出していた場合は、離婚届を出す前に、まずは、離婚届不受理申出書を出した本人が、役所で離婚届不受理申出を取り下げなくてはなりません。
私の場合は、同居時に住んでいた役所で離婚届不受理申出書を提出し、その後、2年間の離婚調停と協議を経て離婚の合意ができた後に、別居先の別の役所で離婚届不受理申出を取り下げる手続きを行い、同時に離婚届を提出しました。
- 離婚届不受理申し出を取り下げてくださいと申し出る
- 役所の人が、私がもともと不受理申出書を提出した役所に電話確認して、取り下げ手続きをおこなう
- 離婚届を受理してもらう
という流れだったので、通常の離婚届よりも受理されるのに時間がかかりました。
1時間半くらい待ち時間があった記憶があります。

弁護士さんへの相談
「子供たちと一緒に実家に帰って別居する」ということを決めてから、一番気になったのが、夫が「勝手に子供たちを連れ去った!」と訴えを起こしたりしないかどうかということでした。
なにせ夫は、稼ぎもあり、知り合いの弁護士もたくさんいます。
これまでの結婚生活の中で、自分の思い通りに事が進まないときに、お金やコネクションを使って力技で相手を言うとおりにさせてきたところも見てたんですよね・・・。
そんな夫が「許さない」と言っていることを実行しようとしているのです。
別居の計画を相談していたのも、両親だけ。両親は「とりあえず、帰ってきなさい」と言ってくれて助かったのですが、後々何をされるかわからないと思うと、ホントに怖かったです。
そこで、私は3人のタイプの違う弁護士さんに事前に1回限りの単発の法律相談をしました。
弁護士のAさん(男性)
1時間の相談料が1万円。友人から紹介してもらいました。
個人で弁護士の事務所をしていて、「無罪判決を勝ち取るまで10年戦い続けました」みたいな、熱血タイプ。
この弁護士のAさんが相談の時に話してくれたのが、
「離婚するにしても、しないにしてもすぐに結論を出す必要はない。相手がいくら離婚を迫ってきても、堂々と突っぱねればいいんです。自分が今後どうありたいかをまずよく考えてください。そして、自分一人で生活していくのなら、まずは最低いくらくらい生活費が必要なのか、現状どのくらいかかっているのか、お金のことも把握しておいてください」
ということでした。
恥ずかしながら、結婚後の生活費はだいたいのどんぶり勘定でやってきていたので、現状いくらかかっているのか、正確には把握していませんでした。
確かに、私と子ども2人で生活していくのに必要な生活費がわかれば、自分でいくら稼げばやっていけるかのメドもたつ。そう思って、その日から正確な家計簿を付けるようになりました。
弁護士のBさん(女性)
離婚専門の3~4人の弁護士さんで経営している小さめの弁護士事務所の女性弁護士さんに相談しました。
ここは確か1時間の相談で5000円くらいでした。
「子供たちを今実際にメインで育てているのがミーナさんなら、別居のときに連れて行っても連れ去りにはならない。むしろ、連れて行かなかったら、子供たちの監護を放棄したことになる。そのほうが不自然だ」
「お話いただいた状況から考えると、ミーナさんと子どもさん達は、堂々と離婚を拒否して今の家で暮らしていていいと思うのですが・・・心理的に耐えられないというのもわかります」
「訴えられたらどうしよう、など、いろいろ不安に思うのはわかるが、何も悪いことをしているわけではないのだから、基本は起こってから一つ一つ対処をしていけばいい。あまり一気に悩んでパニックにならないように」
「相手の主張内容から考えて、離婚裁判まで行く可能性もありそう。そこは覚悟しておいてください」
実は、元々小心者の私は、別居を決心しながらも、ずっと自分に自信がなく、本当に子供2人を自分の力で食べさせていけるかどうか、不安でいっぱいでした。
でも、この弁護士Bさんに相談してからは、「私は何も悪いことをしていないから大丈夫。きっとやっていける。別居したほうが、きっといいんだ」と思えるようになりました。
弁護士のCさん(女性)
弁護士のCさんは、私の実家のある県にあるわりと大手の弁護士事務所の方で、離婚専門部門の方でした。
別居して実家に帰ったら、今住んでいる場所の弁護士さんに相談するのは難しくなるだろうと思い、別居前から、この事務所には一度相談しておこうと思っていたのです。
幸い、スカイプでの相談に対応してくれていたので、実家まで帰らずに自宅からスカイプで相談できて助かりました。
この弁護士Cさんに言われたのが、だいたい弁護士Bさんと同じことで、当時抱えていた事情を鑑みると、やはり子供たちを連れて別居しても、自分が専業主婦としてずっと子供の面倒をみている状況なら問題はないということでした。
さらに、
「もし、別居することを決心しているなら、もう今住んでいる家には戻れないと思って、持っていけるものはできるだけ持って行っておいたほうがいい」
「お子さんの預金など、夫婦2人で管理しているものがあるなら、当面の生活費を確保するためにとりあえず現金化して手元に持っておくとか自分の口座に入れておくとか、自分の管理下に置いておいた方がいい」
「家を出る前に、ご主人の資産状況がわかるものをできるだけコピーにとっておいてください」
といったアドバイスをもらいました。
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まとめ:勝手に離婚届を出される可能性があるなら、まずは不受理申出書の手続きを!
こうして、別居準備第1弾として、離婚届不受理申出書を出して、それから弁護士の先生たちに法律相談をしました。
すでに離婚することを心に決めている場合も、合意できる条件で話がつくまでは勝手に離婚届を出されないように、不受理申出書は出しておいたほうがよいと思います。
特に、旦那さんにバレないように別居しようと考えている方は、不受理申出書は出しておいたほうがいいかと。
別居するまではギリギリ保たれていて信頼関係も、別居してしまうとガラガラと崩れてしまうからです。

一切の信頼ができなくなった相手がどんな行動にでるかは、予測ができないです。
弁護士の先生への相談も、できれば一度はしておいたほうがいいかと思います。
自分一人では見えてこなかった状況の見方や、「あれはどうなる?」「これはどうなる?」「訴えられたら?」などといたずらに不安になる必要はないこと、基本的には堂々と離婚は突っぱねておけばよいことなど、やっぱり相談してよかったと思いました。
また、弁護士の先生たちに相談したという事実も、「弁護士相談カード」で弁護士の先生側に記録も残りましたし、私の方でもメモをとっていましたので、後の離婚調停でも事実関係を説明するときに役に立ちました。
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